エーワン株式会社

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Vol.3 ラベル屋さん

[商品開発ストーリーVol.3:ラベル屋さん]文具とパソコンを結びつけた画期的ソフトウェア。専門メーカーとして先頭を走り続ける

エーワンの商品をより快適に、より楽しく使用するために欠かせないのがパソコンソフト「ラベル屋さん」。現在はインターネットで簡単にダウンロードして利用できるこのソフトが産声をあげたのは1989年。パソコン普及の黎明期のことでした。

プログラマー志望の販売店スタッフが、自身の夢を重ねて開発に挑戦

ラベル専門メーカーがパソコンソフトを開発。
多くの商品がパソコンに対応している今となっては珍しくもないことですが、今から20年前、それはまぎれもなく革新的な出来事でした。当時、パソコンはまだまだ一部の専門知識を持った人だけが使用できる“難しい機械”。ワープロが主流で、パソコンソフトとしては、ジャストシステム社のワープロソフト「一太郎」が普及し始めた頃です。文具とソフトウェアはまったくの別物であり、接点などあり得ないと考えられていました。
ところが北井は違いました。

「フロッピーディスクなど、ラベルを貼って仕分けしておきたい物はきっと増えていくはず。当然、手書きよりワープロなどできれいに印刷できた方がうれしい。潜在的なニーズはあると思っていました」

北井がこのように感じていたのは、当時の環境も影響しています。この頃、北井はパソコンショップに勤務していました。店を訪れるパソコンユーザーと接しながら、無意識のうちに次世代の市場を見つめていたのです。

同じことは、北井が勤務するパソコンショップにエーワン商品を納めている営業担当者も感じていました。2人は、「パソコンを使ってラベルに印刷を」というアイデアですっかり意気投合。プログラマーの仕事にあこがれ、独学でプログラミングを学んでいた北井が開発を担当することになりました。

「最初は社外から『お手伝いする』という形で開発に携わり、後にエーワンへ転職して開発業務を受け持ちました。30歳を前にした転職で不安もあったのですが、ソフトウェア開発という仕事への魅力が勝りました」

  • (写真)ソフト開発担当 係長 北井 豊
    ソフト開発担当 係長 北井 豊
    建築物の設計業務、パソコン販売店を経て1989年2月にエーワン入社。以来、一貫して「ラベル屋さん」の開発に携わる
  • 開発に携わった商品

3日連続の徹夜も苦にはならなかった。新分野を切り開く楽しみで走り抜けた開発プロジェクト

転職はしたものの、あくまでも文具メーカーであるエーワンにプログラミングの専門知識を持った人はいません。そのため、開発にあたってはすべての業務を北井が担うことに。まして北井自身もプログラミングは独学。試行錯誤の日々が続きました。

「でも、不思議とつらくはなかった。3日間続けて徹夜しても平気でした。寝る時間がもったいないと本気で思っていたぐらいです。今思えば、好きな仕事をさせてもらえ、しかも世の中に存在しない物を作り出すという喜びでいっぱいだったんでしょうね」

このころ、北井を最も苦しめたのは開発の総仕上げであるアセンブリー作業です。あらゆるプログラムにミスがないかを検証することに加え、取扱説明書など、パッケージングする付帯物の確認も必要です。現在のようにインターネットで修正プログラムを配布するという方法など考えられなかった時代。それだけに、「とてつもない緊張感だった」と北井は振り返ります。

こうして迎えた1989年春、業界初のラベル印刷ソフト「ラベル屋さん」が発売されました。業界からは「変わったことをする会社」と受け止められたと言いますが、着実にお客様を獲得。その証拠に、発売から間を置くことなく進化版である Ver.2 の開発に着手します。

北井氏の仕事風景

この分野では絶対に負けるわけにはいかない。ナンバーワンであり続けることが責務

以後も進化を重ねた「ラベル屋さん」。社会的な通信環境の整備やソフトウェアに対する意識の変化に歩調をあわせ、かつての「購入して使用する」というスタイルから、「無料でダウンロードして使用する」というスタイルへと姿を変えました。最新の Ver.8 では画面構成の大幅なリニューアルを実施。操作性をさらに高め、パソコンやデザインに不慣れな人でも簡単に楽しいラベルづくりができる仕組みを導入しました。また、ソフトの自動アップデート機能を搭載するなど、お客様が常に最適な環境で利用できる仕組みも整えました。

現在の「ラベル屋さん」開発には、外部のソフトウェア開発会社も多数参画しています。北井は、それらの協力会社をまとめ、仕様や機能を調整する役割を担当。そこでは、ラベルプリント用ソフトウェアの先駆者としての意地とプライドを胸に指揮を執ります。

「この分野で他社に負けてしまってはエーワンの存在価値がない。他社のまねをするのではなく、自分たちが新たな機能や使い勝手を生み出していく。そうやって先頭を走り続けることがエーワンの、そして私の責務だと考えています」

北井氏と開発商品