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ときには0.1mm単位で改良を重ね、またあるときには誰も想像しなかったような新ジャンルを生み出すエーワンの商品開発。その舞台裏では何が行われているのでしょう。カギを握る、企画開発メンバーの取り組みを紹介します。
お客様相談室はエーワンの守護神――。
これは、設立40年史の中で創設者が記した言葉です。ラベルは、暮らしや仕事を便利にする道具。それならば逆に、お客様が感じている「不便」にこそ大きなヒントが隠れているはず。お客様から届く厳しい言葉と真摯に向き合うことが、結果としてお客様に満足してもらえる商品を生み出し、ひいては会社の発展につながるのです。エーワンでは早くからこの考えを大切にし、お客様相談室を戦略的に活用してきました。
現在、1日に寄せられるお客様からの電話は100件以上。それらは報告書にまとめられ、会議で報告されています。この報告書をきっかけに新しい商品が生まれることもあります。
「販売は問屋さん経由だけど、営業は販売店に直接足を運び、店舗スタッフからナマの情報を得ています。独特な営業スタイルだと思いますよ」
メンバーの1人はそう語ります。少しでもお客様からのリアルな情報を得ようという思いから導入されたスタイルです。そして、ここで得た情報は「市場情報」と銘打たれ、全社で共有。当然、企画開発メンバーも毎日チェックしています。
お客様の声を知らずして商品企画なし――。その姿勢は、人事制度にもあらわれています。
新卒で入社した社員は、必ず営業職として配属されます。販売店に日参し、来店者の行動を自分の目で見てみる。移ろいやすいトレンドの変化を、販売店スタッフの声から感じ取る。そういった毎日が、お客様目線に立ってあらゆることを考える企画者としての素養を育みます。
「営業時代にアイデアを温めていて、企画開発部門に配属してから実現させたという話はよくあることです」
企画開発メンバーは、しばしば販売店に足を運びます。このとき、より効果的な情報を得るためには「どれだけ多くの売り場を見たか」が大切。ここで生きてくるのが、現役営業担当者とのネットワークです。「こんな商品を考えているんだけど、どの店で話を聞けばいいかな?」と質問を投げかければ、瞬時にかつての同僚から情報が集まります。企画と営業が強い結びつきを持って商品開発に取り組めるのは、エーワンならではの強みです。

お客様相談室に届く声を大切にする
販売店に足を運び現場の声を知る

世の中に存在しないものを生み出すのが商品開発。では、目標とする商品がどうしてこれまで存在しなかったのか?「誰も思いつかなかった」場合もありますが、ときには「作ろうと思ったものの、作れなかった」場合もあります。すなわち、技術的ハードルが高すぎたのです。
「直径3mmのカラーラベルは、発売当時、業界初の商品でした」
そう言って企画開発メンバーは胸を張ります。
ラベルは、原紙から商品となる丸い部分をくり抜いて作る商品。余分な部分ははがしてしまいます。ラベルが大きければ大きいほど、商品部分が原紙に貼り付く力が強く、余分な部分をはがしやすくなります。ということは・・・。
「あまりにラベルが小さいと、ラベル周囲だけをはがし取ることが難しかったんです」
この課題に対して、工場スタッフが立ち向かいました。機械の設定変更などを重ね、不可能だと思われていた直径3mmを実現してしまったのです。
同様に、「はがしやすいラベル」の裏面に配置されているスリット(切り込み)も、印刷による表示との調整は難航を極めました。企画開発メンバーは足しげく工場に通い、希望する印刷表示のあり方を伝えました。その熱意に応えるべく、工場メンバーも試作と調整を繰り返し、最適値を見つけ出しました。そうして生まれた「はがしやすいラベル」は、他に類を見ないオンリーワン商品に。企画開発メンバーのアイデアに加え、工場メンバーの技術力がもたらしたラベルの新境地です。

お客様の声に丹念に耳を傾け、ときには困難をいとわずチャンレンジする。その原動力はどこにあるのでしょうか。
「人まねをしないこと。何らかの差別化が行われていないとエーワンの商品として認められない。それがエーワンのDNAだから」
メンバーからは迷いのない答えが返ってきます。
設立から50年。ラベルをどこよりも深く、真剣に考えることで培われたDNAは、今、現役の企画開発メンバーにもしっかりと受け継がれているのです。
そしてもう1つ、ラベルという商品ならではの性質も企画開発メンバーを新商品へと駆り立てます。
「エーワンの商品は、実はほとんどが半完成品。お客様が印刷をし、思い思いの場所に貼って初めて完成するんです。だから、中には私たちが想像もしなかったような使い方をするお客様もいる。これが面白いんです。『そう使うのか!じゃあ、こんな改良をすればもっと使いやすいはず』とアイデアが浮かんできます」
永遠の未完成。もしかするとラベルは、そんな宿命を背負った商品なのかもしれません。だからこそ今日も企画開発メンバーは、そしてエーワン全社員は、お客様の声に耳を澄ましています。


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